”まずはやってみる”プラモ技術シリーズ ゲート処理編
さて、今更ながら最近気づいたのですが・・・、プラモデル製作で避けて通れない作業は、そう、ゲート処理です。そこで、今回は、ゲート処理には様々な方法があるので、その方法をご紹介します。また、ゲート処理の際に適切なニッパーやヤスリについてもご紹介します。

パーツ切り出しの基本、素組用の二度切りについて
まずは、素組で完成させる場合にも有効な二度切り方法のご紹介です。

何といっても、まずは2度切りをを知らなくてはいけないですよね。文字通り、2回ゲートをカットしますが、私は、1度目と2度目のカット時には、それぞれ違うニッパーを使用します。

さて、1度目は両刃ニッパーを使用します。私は真鍮もカットできる両刃のMK-01を使用しています。(多少太い物でもカットする性能があります。)

このように、1度目のカットはパーツにゲートを少し残すようにカットします。

すべてのゲートをカットして、パーツを取り出します。

次に2度切りですが、ここで片刃ニッパーMK-02に持ち替えます。(MK-01に比べて繊細な刃先なので、なるべく負荷の少ない細い物や薄いものをカットしています)
ところで、なぜニッパーを変えたのか、その理由についてですが・・・。

ランナーの形状を見ていただけるとわかるのですが、パーツに接している箇所は細く、少し離れれば太くなっているのです。そこで、切断能力に合わせてニッパーを持ち替えているのです。

それでは話を元に戻して・・・。次は、刃ではない方を残ゲートに押し当てて・・・・、

握ってカットします。

このとき、パーツの切断面とニッパー刃の背の部分が平行にきっちりと隙間なく合わせるのがポイントです。

これで、カット出来ました。・・・・うーん・・、少し白化してますが、段差は無い切断面できれいにカットできました。

こちらは違う例、1度目のカットが済んだ状態です。(画像の中心付近)

2度切りにより、きれいにカットされています。

こちらも先ほど同様に、1度切り状態で、・・・

2度切り後です。少し残っていますね・・・・。(刃とパーツが密着できていなかったため)
ところで、なぜ二度切りが必要なのか。
では、なぜ2度切りが必要なのか・・、経験上のお話を申すと、1度目からパーツギリギリをカットすると、下図のようにパーツをえぐってしまうことがあるからだと思っています。おそらく、四方八方に伸びているゲートが、パーツにテンションを掛けていることが原因で、カットの最中にゲートが引っ張られ割れてしまうからだと思っています。ランナーには他のパーツもありますよね、それらの重さによる不自然なテンションのかかり具合も気になりますよね。(違うかな・・?)

切断途中でこんな感じになったり、

割れてしまったり・・・・。こうなると、ヤスリだけではリカバリーできないのです・・。
そういえば、2度切りは白化現象を防ぐためとも聞きますが、個人的には白化現象はそれだけで防げないと思っています。
その理由として、以下があげられます。
- ニッパー性能にも左右されたり(高額の薄刃、片刃などのスペック)、使用回数による経年劣化に影響されるため(切断回数が増えて刃が鋭利ではなくなるとプラを引きずるため)
- ニッパーを扱う技術力(ニッパーを当てる角度や握り方などの微妙な条件に影響されるため)
- 素材の違い(そもそものプラ材質によるところも大きいため)
つまりは、いわゆる高級ニッパーを使えば問題が無いように感じるのですが・・・・。ずっと永久に使えるわけではなくむしろ、超性能を維持できる耐久性は少ないので、常に買い替えを意識しなければいけないのです。(切れ味の神髄は刃の薄さと絶妙な嚙み合わせですので、負荷をかけるほど戦闘力が劣っていくのです。)
ゲート処理の基本、ガラスヤスリを使った方法
確実にゲート跡を処理したい時の方法

こちら、一度切りをした状態です。もう少し深く切っても良いかもしれません。2度切りをしたほうが良いですが、少しだけゲートを残したほうが作業しやすいです。

ここで登場は、私が所有しているガラスヤスリです。ガラス製という事もあり、削る箇所を常に把握しながら作業置出来ることが最大のメリットです。

ゲート跡が長いほどゲートが折れやすいので、力を掛ける方向を考えてヤスっていきます。

まず、パーツに対してゲート位置が端にある事を把握しておきます。この場合は、赤の方向に力を掛けるとゲートごとパーツを破損してしまうことも考えられるため、ある程度ゲートの高さを削るまでは、青、緑の方向で削っていきます。

おそらく、通常のスティックヤスリでは、他の箇所にヤスリ面を当てずに削ることは難しいと思います。これなら、素組で完成させたい場合も大丈夫ですね。
また、ガラスヤスリの場合、表面を擦ってあげることにより、つるつるに仕上げることも可能です。(ガラスヤスリについては、別の記事でまとめたいと思います。)
ついでに表面処理を行って、初心者を卒業する
パーツの表面処理については、別の記事でまとめたいと思っていますが、もし、塗装を考えている場合は上の状態からもうひと工程付け加えることをお勧めします。

ここで必要な工具は、スティックヤスリです。

このように、若干しなる硬さがおすすめだと思います。(個人的には、やわらかくてもダメで、硬いのもダメです。)
これを小刻みに動かしながら、表面をやすります。(こちらの表面処理についても別の記事でまとめたいと思います)

このように表面も綺麗になりますので、おすすめの工程です。
トラブルシューター編、ゲート処理をせずにいきなり表面処理をした場合の対処方法
次は、仮にゲート跡が残っていたにもかかわらず、表面を削ってしまった場合の対処方法です。

やり方にもよりますが、ゲート周辺だけやすりが当たらずに、凸凹になってしまいます。だからというわけではないのですが、ヤスる前に必ずゲート処理は行っておきたいです。

ですが、このまま放置するわけにもいかないので、今度は硬いヤスリで修正していきます。画像は、ゴッドハンドのエッジ出しヤスリです。

ゆっくりとしっかり面に押し当てて削ります。

また、番数の粗いスティックヤスリの上に当て板を置いてヤスっても良いです。

どちらも、同じようにきれいに削り取れます。
まとめ、現在のゲート処理の最適解について
結局のところ、ひとによって求める完成度と掛けられる時間は変わってくるのは当然です。だからこそ、適切なゲート処理を選択したいのですが、出来るだけお金を掛けたくないのも事実だと思うのです。
そういう意味では人によって方法は変わるかもしれませんが、
- 完成体をお金を掛けてでも量産したくて素組を選ぶ方々には、持ち替えの面倒さはあったとして高級ニッパーを含めた2度切りでの完成度を高める方法
- 完成体を量産したいがそこまでお金を掛けたくはなない方々には、多少時間を使ってガラスヤスリを使用する方法
- 塗装まで考えて時間をかけても良い方々には、複数のやすりを使って丁寧に処理する方法
に分類されるのではないかと思います。適切な方法を選択して製作していきましょう。複数の技術の引き出しを持っておくべきだと思います。(今までの仕事での経験上、何か一つに頼る方法では危険だと思うのです。もちろん、技術の幅が広がらないこともあるのですが、いつ贔屓の会社が倒産してしまうとも限らないので・・。)
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