”まずはやってみる”プラモ技術シリーズ エアブラシ塗装編、トリガーアクションでグラデ塗装、黒立ち上げ塗装の回
・・・、何か、”パルスのファルシのルシがパージでコクーン”・・・・みたいな題名になってしまったのですが・・・。今回は、トリガーアクションエアブラシで、黒立ち上げのグラデーション塗装をする方法をご紹介いたします。
おそらく、ひとそれぞれのやり方があるとは思うのですが・・。先日、他の方はどうしているのだろうと思って調べた経緯があり、私も記事にしておけば誰かの役に立つかもしれないと思ったのです。
ではでは・・・。

そもそも、グラデーション塗装、黒立ち上げ塗装とは何か・・・。

そもそも、グラデ塗装とは何か。私は上画像のように基本色が徐々に変わっていく塗装表現だと思っています。
濃い基本着色部分→着色を薄くしていくことによる下地色への色変化の様子ということでしょうか。(上記画像では白色)そういう意味で、下地色が黒色で、基本色が徐々に黒へ移行していく塗装。すなわち黒立ち上げ塗装はグラデ塗装の一種だと個人的には理解しています。
ちなみに、私がなんで黒立ち上げ塗装を愛用しているか・・。それは非常にシンプルな理由で、MAX渡辺氏(マックスファクトリー社長)が考案したマックス塗りが大好きだからです。ちなみに、MAX氏はダブルアクションのハンドピースを使われていたのですが・・。実は私は精度は落ちるかもしれませんが、トリガーアクションで”作業をしています。そもそも、トリガーアクションエアブラシを選択した理由は、指のしびれを軽減するためです。少しでも長く作業していたいですから・・。(余談ですが、ダブルアクションで作品を仕上げられるように、そちらも練習しています。)
トリガーアクションエアブラシで簡単にグラデ風に塗装します
そもそも、トリガーアクションエアブラシの塗装では、基本は”握る”ことだけの操作で吹き付けます。そういう意味では、正直なところ、細かい調整はできないとされています。では、細かい制御ができないと言われているトリガーアクションでグラデ塗装は出来ないのか・・・。そんなに使い勝手が悪いのかというと、実はそんなことはないと思ってます。理由として、”末部のニードルストッパー”と”対象物への距離”を使いながらでも、そこそこに再現性の高い吹付作業が可能だからです。
また、指の押し引き加減という細かい動きで調整するダブルアクションタイプのハンドピースに比べて、握るだけのトリガーアクションは単純です。その分、長時間の作業に耐えられるのがメリットで、私はトリガーアクションの使用を止められないのです・・。ですがもちろん、ダブルアクションのハンドピースの方が、格段に細かい吹付作業が出来る事も事実です。状況に寄りけりといったところでしょうか。

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さて、エアブラシ塗装をする上で、理解しておきたい特徴について
では、そもそものエアブラシの塗料散布の性質はどんなものなのか。その性質とはダブルアクション、トリガーアクション等で変わることはなく、中心付近が一番濃く塗料を吐き出せて、外側に行くほど薄くなっていくことです。また、対象物に近ければ小さい円形の範囲での濃い着色となり、離れれば大きい範囲での薄い量の着色ということも性質としてあげられ、これらは、エアブラシ塗装の大きな特徴です。

そこでトリガーアクションの操作を例に挙げて上図で解説すると・・・。ピンクのように、ハンドピースの先を近い→遠いと瞬間的に移動させながら、かつ、トリガーを瞬間的に握って離すと、画像のような中心が濃くて外側が薄い円形上の塗料散布を行えます。ちなみに、近くで吹き付ける際は、あらかじめニードルストッパーを絞って塗料の吹きすぎを制御することがポイントです。とはいえ、ダブルアクションと比べると色々と精度は落ちるのですけど・・。ですが、徐々に変わる色移行表現は大まかには可能ですし、何より手は痛くなりません。
ただ、注意点があるとすれば、トリガーの引き初めに吹きだされる塗料は、きれいな霧状にならないことがあるということです。ですがそこは、塗料の希釈量やエア圧などにも左右され、ある程度は自分の機材に合った適正な数値管理で対処する事は可能です。
そこで今回は、これら特徴を最大限に使った方法です。
まずは基本色のホワイトを調色と希釈します

やはり、白い機体のホワイト色は重要で、黒立ち上げをする際の調色にもコツがいります。
- 真っ白にはせずに、グレーを少量混ぜておく
- エア圧に合わせて、うすめの希釈がグラデーションを掛けやすい
1,についてですが、私は基本色としてクレオスのGXクールホワイトを使用しています。そして、少しくすんだトーンにしたいのでニュートラルグレイⅡを少量混ぜています。どうやらつや消しで仕上げる真っ白っていうのは、実物は少しおもちゃっぽく見えるのです。(画像では伝わりにくいのですが・・。)反対に光沢仕上げにすると綺麗には見えるのですが、スケール感がなくなるような気がします。

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2、については、エア圧にもよる話なので定量化はしにくいのですが・・。私は塗料:うすめ液=1:3(または2.5)ぐらいにしています。ちなみに、希釈を薄めすぎると、ハンドピースを近づけて濃く塗装したい時に液だれを起こして失敗することになりますので、注意が必要です。

では、ハンドピースのカップに入れて、さあ、塗装開始です。
方法その1(じっくりより正確な方法)
まずは、明るく見せたい箇所に吹き付け

あらかじめ、黒色で下地を作ったパーツを用意します。(基本的に、私はエヴォブラックによるサーフェイサー塗装後の状態です)

さて例としてナラティブガンダム脚部のすねパーツを例に・・。立体的には3面構成のパーツですが、モールド等を挟んで7面構成と認識して塗装します。


そして、面の中心が一番明るくなるように塗装、中心付近からぐるぐる外側に広げました。


次に、面の形状に沿うように外周を撫でていきます。中心が一番濃い色になるように、外側の吹付時は若干ハンドピースを離して吹きつけます。微妙な動きを意識して、排出量を感じながら吹き付けていきます。
ちなみに、自分が一番気を付けていることは、最大に握ってもすぐには白くならない程度に排出量を絞ることです。

それでは、第一段階終了パーツがこちらで、エッジが黒い状態です。

そして、この工程を、他のパーツにも順次作業していきます。こうすると、同じような作業を続けられるのでストレスなく比較的スムーズに進みます。また、作業内容も安定しやすいです。

ちなみに、広い面が大きい場合は、吹付箇所にムラがでやすいので注意が必要です。

ということで、すべてのパーツに第一段階を吹き付けました。・・・なんかエッジが効きすぎてアニメ調な雰囲気です。
次に、全体的に塗料を吹き付け

では、次にニードルアジャスターを適度に開けて、全体的に塗料を吹き付けていきます。ですがその際は、ハンドピースを先ほどより離して作業します。まんべんなく格子状に吹き付けます。

ということで吹き付けが完成したパーツです。今回3回は重ね塗りしていますが、この回数が多いほどグラデーション効果は薄くなります。また、逆に少ない回数で仕上げるとグラデーション効果は大きくなります。

本音を言うと、スミ入れが不要に感じてしまうぐらいの明暗が付いています。正直、このままスミ入れ無しでも良いのではないかと思ってしまいます。

ちなみに、段差がある箇所は奥に塗料がいきわたりにくいです。ですが個人的には良い感じの明暗だと思っており、スミ入れを省く箇所も出てきます。

こちらは、今回塗装したパーツ群で、これで一応完成です。
方法その2(感覚と割り切りが必要だけど、時間短縮できる方法)

方法その1は、ゆっくりと比較的近めにハンドピースを当てながら、割と細かくグラデーション塗装できるのですが、如何せん時間がかかります。そこで、方法その2の登場で、こちらは素早くハンドピースを立体的に動かしながら、比較的大味にグラデーション塗装する方法です。その1と圧倒的に違う設定は、ニードルストッパーの開度です。こちらも塗料やエア圧にも寄るのですが、1/3~半分程度は開けてます。また、塗料も先ほどよりは若干濃く、塗料:溶剤=1:2程度の希釈割合でしょうか。
一つ目の例


まずは、冒頭で書いた性質を利用しながら、このような斑点を作っていきます。(近づけて素早く握って→すぐにハンドピースを離しながら握りも解除するという一連の動き)ちなみに、斑点を作る箇所の選定ですが、比較的モールドが何もない大きな平面を基本として塗布していきます。

裏面も同様に斑点を作ります。

そして、今度はハンドピースを離し気味に、かつ一定の距離感を保ちながら、塗料を薄く一定に散布していきます。ちなみに、風の流れる方向や重力方向、光の当たる方向などのどれかを意識しながら吹き付けると、完成時にそれなりの説得力が出る場合もあります・・・。奥が深いと感じる瞬間です。

裏面も同様に行います。

これは飛行機の主翼なのですが、特に前方の側面は風を切ることが多いと推測されるので、薄い側面に対してハンドピースを構えて、上下に小刻みに揺らしながら吹き付けていき、比較的濃いスジを入れながらの明るい感じに仕上げていきました。

何度か薄く塗り重ねた様子です。最初に斑点を作成した箇所が明暗の明るい箇所として出来上がります。ちなみに経験上、モールド部分は更にスミ入れをして濃い暗い色になりますので、この時点でさほど明暗に差をつけると嫌味になってしまう事があります。ですので、一度にパーツ全体を塗装するのではなく、薄く一定量の塗料を吹き付けていくと、バランスが調整しやすくなるような気がします。

反対も同様ですが、個人的には日の当たらない箇所は、若干暗く仕上げるようにしています。
二つ目の例

次は、大きめのパーツ分で、飛行機の本体部分です。こちらも同様に斑点をエアブラシで付けていきます。

本体裏面も同様です。ちなみに経験上、丸い形状の中心部分や、曲面、アール形状の中心付近を明るくすると、完成時に見映えします。

主翼同様に何層も薄く吹き付けていきます。

裏面も同様に作業しますが、主翼と同様に若干暗い仕上がりにしています。実際に下面に来るパーツは、画像上では暗い方が説得力が出ますので・・・。

ということで、完成した本体上面です。

下部面は、暗く仕上げます。
忘れずに対のパーツや、全体的なトーンのチェックをしていく

さて、パーツごとに塗装していると、対のパーツや、全体的なトーンが崩れることが多々あります。(右翼は濃くて、左翼は薄いなど、バランスの矛盾のこと。)それを防ぐために、必ず隣においてチェックするようにしています。
ちなみに、部位によって色の濃さが違っても(表裏など)良い感じに仕上がることもありますが、それでも左右のバランスなどは取らなければちぐはぐになってしまいます。明るい暗いの雰囲気は、光の当たり具合や風の当たり具合など、自然現象の事を少しだけ取り入れると、きっと全体に統一感が出てきます。
完成度を上げるためには必須のチェックだと思っています。
まとめ
ということで、ガンダムのホワイトをトリガーアクションエアブラシで、黒立ち上げのグラデーション塗装をする方法としてご紹介したのですが、皆さんの方法と比べていかがだったでしょうか。方法は違っていることもあるかもしれませんが、一つの参考にしていただければ幸いです。ちなみに、意外と簡単にできますので、エアブラシ塗装初心者の方にも試していただきたい方法です。
コツとしては、塗料の過排出を防ぐことであり、ニードルの調整と塗料の希釈がポイントになると思います。
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