”まずはやってみる”プラモ技術シリーズ エナメル塗料で塗装編、筆塗やエングレーピング塗装の回
さて、初心者の私が塗装で悩んだことの一つに、細かい箇所への塗分けがあります。例えば、パーツの中にある細かいディティールを塗分けたい時など。そもそも、部材を大量に使用してわざわざマスキングして塗装するのか、塗りムラを覚悟して筆塗するのか。そこで今回は、エナメル塗料を活用して塗装表現をレベルアップさせると称して、筆塗での塗分けやエングレーピング塗装を例に、エナメル塗料の塗装をご紹介したいと思います。

そもそも、エナメル塗料とは
その前に・・ガンプラ塗装と言えば、ラッカー塗料か水性塗料を使用する事が多い
まず、普段自分が使っている塗料についてを知っておく必要があります。おそらく、クレオスのMr.Hobby、タミヤのラッカー塗料、ガイアノーツの塗料等、このあたりを使っているのではないでしょうか。そこで結論から言うと、エナメルや水性といった記載がない塗料は、ほぼほぼラッカー系塗料と考えても良いかと思います。(一部例外はあるかと思いますので、商品説明はよく読んでください・・)
では、なぜラッカー系塗料が多いのかというと、扱いやすくて種類が多いからなのではないでしょうか。また、近年は、時代に合わせた水性塗料も再認識されており、そうなるとなぜ今、エナメル塗料なのかと疑問に思ってしまいますね。
まず、使用経験から感じるエナメル塗料を使いたくなる特徴
何点かあるのですが、大きくは以下の3点が理由です。
- 筆塗でも塗りムラが発生しにくい(塗料が良く伸びる)
- 薄くても隠ぺい力があるので、発色が良い
- 乾燥後も溶剤で修正が可能
ではなぜ、主流の塗料にならないのか、注意点
さて、上の理由を読んでいると、主力塗料になってもよさそうですが、そうはなっていないのにも理由があります。何点かあるようですが、一番大きな理由は塗装膜が柔らかいために表面に傷が付きやすいことがあげられ、稼働が多い主力部分の塗装には向かなかったのでしょうか・・。また、プラスティックを脆くすることもあるようで、ラッカーに比べて扱いが難しいことも理由であると思います。
最後に、理解しておくべきエナメル塗料の特性のおさらい
メリット
- 重ね塗りの際、下地の塗装膜を侵しにくい
- 乾燥が遅めの為、ふき取ったり修正がしやすい
- 溶剤を使ってエナメル塗料だけを修正できるため、やり直しが効く
デメリット
- 塗装膜が弱いため、塗る場所を選ぶ
- 乾燥が遅いので、作業効率は落ちてしまう
- プラスティックを脆くすることがあるので、薄い箇所や力のかかる箇所では割れてしまう事がある(下地があったほうが望ましい)
とこれらの事を頭に入れておいて、エナメル塗料を実際に使用してみましょう。
筆塗で塗分け
実は苦手な筆塗ですが・・・・。なぜ苦手なのか、多分、緊張して手が震える事が多くてはみ出すことが多いからなのです。思えば筆に対して、幼少の時の図画工作の授業や中学生頃の美術の授業で、いじられたり怒られたりして成績や印象が悪い出来事が多くて・・・。なんとなく筆を見ると辛い印象で指先がうまく動かないのです・・・。まあいろいろありますよね。
今回はエナメル塗料を使ってパイロットフィギュアの部分塗装を行っていきます。
では、何を用意するのか

ということで揃えた道具一式です。すべて写ってはいないのですが・・。

苦手とはいえ、筆塗に必要な物は一応揃えてはおります。細筆や平塗筆などは持っていました。(ですが、比較的安価な筆です)ちなみにこの画像は棒形状のツール群を撮影しています。不要な物も写っているかも・・。

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溶剤は、うすめたり修正したりする時に使う重要ツールで、ビンタイプとボトルタイプがあります。どちらでも使用できますが、使用するときは、きれいな綿棒を突っ込むこともあります。基本的には上記の棒状ツール画像に写っているスポイトを使用する事が多いです。

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ちなみに、ネットでは購入しにくいビンタイプは店頭で買っています。

そして、エナメル塗料です。私は、タミヤのエナメル塗料を使用しています。余談ですが・・・、ビンの形が特徴的なので、ついつい並べてしまいます。
パイロットを塗装していく
部分塗装前の状態は・・・

それでは、塗装していきたいと思うのですが、まずは下地のオレンジのみの状態です。ちなみに服のしわなどに影を入れる作業が嫌だったので、エヴォブラック下地の上にオレンジ塗装をすることによってできる暗い部分を活かすことにしました。薄く何度もオレンジを重ねつつ、更にエアブラシを遠目に濃く吹き付けて凹凸による被膜強弱が出来るようにしました。(どのように言い取り繕っても、違う言い方をすれば、べた塗りが面倒だっただけなのですが・・・💦。)
エナメル塗料を部分的に塗っていきます

まずは、パイロットの肩パッドやブーツなどの濃い茶色から始めます。塗料を混ぜて攪拌し、取り皿に垂らします。ちなみに塗料ビンからは垂らさずに、混ぜ棒に付着した少量を垂らしました。

次に、少し薄めるために、溶剤をスポイトで垂らします。余りは戻します。

最後に筆で混ぜた後に、塗料皿の端で適度に水分を落として塗っていきます。かなり希釈状態は薄く、シャバシャバです。塗料:溶剤=1:2~3程度です。

ということで、筆にべったりと塗料を付けて、皿の端で水分を適量に落としてから、おおざっぱに塗っていきました。びっくりしたのは、ラッカー系塗料とは違い、見た目乾いてそうな筆の状態でも、一筆通すだけでかすれることなく塗料を塗れることです。しかも筋(塗りムラ)ができにくい感覚があるので、筆ムラを帳消しにするための重ね塗りをすることが無かったです。一度塗って、乾いてから念のためにもう一度重ね塗りしただけです。

更に、スーツ関連の箇所にグレイを塗るために、準備していきます。

マスク付近や酸素供給装備などに塗っていきます。ちなみに、ラッカー塗料ではグレイ系統は下地が見えやすく、重ね塗りが必要な印象でしたが、なるほど、薄くても下地色は隠れやすいので、不自然なべた塗りにならないですね。

最後に、設定ではグリーンなのですが、頭部の塗分け箇所にメタリックブルーで代用することにしました。

まずは、サクッと塗りました。

そして・・・・、今までのはみ出し箇所を、溶剤と綿棒を使って修正していきます。その際、あらかじめ綿棒の先を指で尖らせました。もしかすると、綿棒ではなく爪楊枝を使っても良いかもしれませんね。

ということで、こんな感じで仕上がりました。突っ込みどころはあるのですが、自分的にはそこそこの仕上がりになったので大満足です。
最後に重要な事、筆の後片付けです

これは、100均で購入した少量サイズのグラスですが、これにエナメル溶剤を少しだけ貯めて筆の洗浄に使用しておりました。底の面積が少ないので、少量でも傘が増して、筆の上の方まで漬けておけます。最後に、ビンもキッチンペーパーできれいに拭き取っておきます。

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エングレーピングを塗分け塗装する。(エナメル塗料の特性を利用したエアブラシ塗装)
この方法の肝になる特性と必要条件
さて、この方法は、シナンジュのエングレーピングで使用した方法です。冒頭の特徴にて挙げていたことの繰り返しになってしまいますが、
- 重ね塗りしても下地への塗装を侵しにくい
- 溶剤でエナメル塗料だけを修正できる
という特性を利用したものです。
ですが、キット側にも条件を満たしていないと使用しずらい方法で、それは塗分けが凹凸で分割されていることです。

エナメル溶剤で消すことが切るのは、エナメル塗料の被膜だけという事を利用するのですが、綿棒など溶剤を含せることが出来るツールで表面を撫でて消去しますので、出っ張っている箇所のほうが相性が良いのです。
まずは下地ゴールドの塗装


まずは、エングレービングパーツをゴールド一色に塗装します。ちなみに、GSI クレオス(GSI Creos) GSIクレオス Mr.カラー スーパーメタリック2 スーパーゴールド2 10ml 模型用塗料 SM202を使用しました。

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エナメル塗料で、フラットブラックを塗布する


ゴールドの上に、黒色を塗布していきます。塗料は、TAMIYA エナメル塗料 XF-1 フラットブラックです。エナメル塗料をエアブラシで使うのは初めてだったので、希釈率を試行錯誤しました。最終的に塗料:溶剤=1:1ぐらいになりました。溶剤も専用の物を使用します。スミ入れ溶剤を利用しました。少ない塗料で着色できた印象があります。

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ゴールド表現させたい個所を、溶剤でふき取る。


綿棒などの細いもので、エナメル塗料溶剤を含ませて拭き取ります。あまり含ませると垂れてしまうので注意が必要です。パーツの凹凸で、凸部分をふき取るイメージです。ちなみに、この方法の一番良いところは、もし拭き取りすぎても、再度フラットブラックを塗布すれば、やり直しができるということです。下の左画像は綿棒で消しすぎた様子、下右はエナメル塗料で消しすぎた個所を筆でリタッチした様子です。


と、自分でも意外なほど簡単に作業することが出来、しかも満足度の高い出来栄えになったので驚きました。
まとめ
いかがだったでしょうか。
細かい箇所には筆塗が適している事はわかっていたのですが、筆塗特有のムラが出来て躊躇してた経緯があったため、エナメル塗料を使用をするようになってからはその敷居が低くなったような気がします。初心者の方にこそ実感できる方法なので、ぜひとも試していただきたいです。
また、エングレーピングで使用した方法は、条件が合えば応用が利く方法なので、知っておいて損はないと思っています。ですが、最初に思いついた人はすごいですね。実は、ガンプラ(模型)って科学で製作する奥の深い物なんだと思い、少し違った視点で見えるようになったきっかけの方法です。
ではでは、”まずはやってみる”プラモ技術シリーズでは、また違った技法をご紹介できればと思います。
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参考記事
エナメル塗料で筆塗
エナメル塗料でエングレービング塗装
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